~WIRED2020.5.31~
新型コロナウイルス(正式名称は「SARS-CoV-2」)に感染したことのない人たちでも、このウイルスに反応する免疫細胞をすでに持っている可能性がある──。そんな研究結果が、このほど明らかになった。過去に風邪の原因となるコロナウイルスに感染していたことで、新型コロナウイルスに対しても「交差反応」する免疫がつくられたと考えられる例が、2つの研究グループから発表されたのである。新型コロナウイルスは、まったくの無症状から急性呼吸不全による死亡まで、非常に幅広い症状を引き起こす。このような幅広い変動性を説明できる遺伝的・生理的条件やメカニズムについては、いまだに解明されていないものが多い。そしてSARS-CoV-2を排除するための宿主の免疫システムにおける役割も、その大部分は未解明のままである。ラホヤ免疫研究所のグループは、SARS-CoV-2のパンデミックが始まる前の、2015年から18年の間に採取された過去の保存血液サンプルを新型コロナウイルスに晒し、T細胞反応を調べた。すると、SARS-CoV-2に感染したことのない血液サンプルのなんと約50パーセントから、この交差反応性が検出されたのだ。
https://wired.jp/2020/05/31/cross-reactive-t-cells/
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